大前提として、仮想通貨は株や先物投資をしている人のサブ運用として使われています。
人によっては新しい資産と考える方もいるとは思いますが、現状は株・FXと続く第3か第4の投資対象として位置づけられていて、それでいて暴落や暴騰時の逃げる先としてはまだ使われていません。
2022年の仮想通貨の大暴落の原因
先に2022年5月の暴落の原因を述べるなら、単純に恐怖が煽られたからです。
特にアメリカ関連の株や先物の値下がりが連日続きすぎた為に、これは世界恐慌か?と投資家達に思わせました。
あくまで思わせただけであり、実際は現状そこまではいっていません。
しかし投資の世界は、何かが起こるかもしれないという不安が売りを呼びます。
株が下がり続けてどこまで行くかわからないと考える人が多くなるだけで、恐怖は伝染します。
その恐怖の対処として、いったん仮想通貨は手仕舞いにしておこうと考える人が増えた訳です。
実際にはある程度大量に仮想通貨を持っていた機関が、このタイミングで売り仕掛けをしたという可能性もあるでしょう。
仮想通貨に限らず、短期の投資は大量保有者が一気に仕掛ける事で暴落と暴騰が始まります。
特に下に動くときは凄まじく、買いで利益を得ている人々が下がりすぎて持っていられないと思って手放すのを狙います。
そうして多くの人の損を待って、また下から上がっていくのです。
株価以上に反応するのが仮想通貨
単独で見るなら、仮想通貨は景気や世界情勢に対して連動しません。
しかし現状は株式投資をしている人が仮想通貨に手を出しているので、株が危ない時は仮想通貨はもっと危ないと思われて売られます。
そして仮想通貨そのものにはまだ信用が現金以上ではないので、その上げ幅下げ幅は株価以上に反応します。
何より仮想通貨の魅力はその値動きにあります。
上手く上昇で買いを入れて、暴落で売りを入れる事が出来れば儲かります。
実際はそこまで上手くはいかないものですが、現状はそういう大勝負をする人ほど仮想通貨を持つ傾向にあります。
危ないのは分かっていて、それでもチャンスを掴み取りたいと思っているのです。
結果そういう方が動かしている相場なので、上がるときも下がるときも株価以上に動きます。
重ねて言いますが本来景気とは関係がない通貨です。
しかし仮想通貨に投資している人が株価と連動して売買をするので、どうしても連動してしまうのです。
基本的にアメリカ情勢と連動する
今現在一番強い通貨はアメリカ株とドルです。
故に投資家たちはまず米株・ドルを中心に取引をします。
株価や先物も同じですが、アメリカで何かマイナスの事件が起こると株価が下がります。
株価が下がり始めてそれが止まらなくなると、他国の株価や通貨価値も変動します。
そして他国まで下がり始めたあたりから、投資家達はどこまで下がるのかを予想し始めます。
その結果まだ下がると判断すると、信用の足りないものから暴落していきます。
暗号資産テラの暴落
今回暴落したのは、暗号資産テラでした。
テラとは韓国企業Terraform Labsが発行する「アメリカドルと連動する値動きをするステーブルコイン」として発行された仮想通貨です。
日本でいうなら、1ドル=100円をある程度保ち続けるという前提の元発行された仮想通貨ということです。
暴落の原因は単純で、いざアメリカにトラブルが起こった時点で、ドルと連動するという部分の信用がなくなったのです。
結果テラは限界まで売られ続け、今は16円台にまで下がっています。
要するに、信用が下がったと同時に価値は全く維持できなくなったということです。
続いてビットコインも暴落
続いて一番有名である仮想通貨ビットコインも600万円台から400万円台に暴落しました。
今はさらに270万円台と下がり続けていて、この先どうなるかは誰も読めていません。
こちらの原因はテラが下がったことにより仮想通貨全体の信用が下がったからです。
仮想通貨は今はそういうものであり、何か一つ暴落があれば連動してしまいます。
何故なら仮想通貨を持っている人々がほぼ固定されているからです。
当然ですが、幅広く投資をしている人が仮想通貨のメイン所持者です。
故に一つ仮想通貨が下がれば、当然危険視されて他の仮想通貨も下がります。
本来仮想通貨は一つ一つが別物ですが、持っている層が同じなので売られてしまいます。
国家の通貨と違い、ドルの価値が上がったら円の価値が下がるというような動き方をしないのです。
テラが下がればビットコインも下がり、またほかの仮想通貨も下がります。
恐怖感が煽られて仮想通貨を持っている層が一斉に売りで逃げ出すからです。
実際ビットコインはある程度持ち残す人もいますが、他の仮想通貨は正にギャンブルです。
現状価値が保証されている程の信用がないため、暴落する際は一気に価値がなくなります。
それを知っているからこそ、投資家たちは逃げ遅れないように素早く売ってしまうのです。
今はまだ仮想通貨という投資商品
国家の枠を飛び越えて価値を見出すのが仮想通貨の目的ではありますが、現状はまだ単なる投資銘柄の一つです。
どうしてもそういう扱いでしか買われないし売られないので、景気と連動して売買されてしまいます。
そうなれば理念はどうであれ、扱いは値動きの激しい株になってしまうのです。
未来に期待する通貨であるという事を理解した上で、仮想通貨に投資してください。